医学部 受験 再受験
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開戦から4年を経てなお、犠牲者が絶えないイラク戦争。その過酷な戦地から
帰還した米軍兵士の約3割は、PTSDなどの心の病に侵されているといわれる。
米国にとって重大な社会問題になっている帰還兵の心の病気を、仮想世界を駆
使した技術で治療する試みが、南カリフォルニア大で成果を上げている。
同大のアルバート・リッゾ助教授(53)が手がけているのは、PTSDの主
要な治療法の一つである「暴露療法」。患者が心に傷を負った体験を繰り返し思
い出し、それに慣れさせて、過去の事として落ち着いて受け止められるようにし
ていく。療法士との会話などを通じて思い出させる通常の手法の代わりに、リッ
ゾ助教授は戦場を再現する仮想世界を2年がかりで開発した。
患者は、画像を表示するゴーグル(眼鏡)とヘッドホンを組み合わせたヘッド
セットを装着。頭の動きを感知して、上下左右に動く画面を見る。
最初の場面は、砂漠の中の道路端に停車した軍用車両に座っているだけ。それ
でも、患者は不安になる。しかし、何事も起きないと分かって、不安は消えてい
く。
さらに、自分自身で車両を運転したり、遠くから銃声が響き、軍用ヘリや飛行
機が頭上を飛ぶ環境に立ち会ったりして、次第に強い刺激に慣らしていき、最後
には、患者の眼前で車両が爆破され、犠牲者が出る場面にまで至る。
リッゾ助教授の仮想世界は、映像や音だけでなく、運転中の振動、戦地で何日も
入浴できない兵士の体臭、イラク特産の調味料やラム肉の香りまで出せる。
現実の戦地に限りなく近付いたそれは、患者にとって強烈だ。治療中は、常に
療法士らが付き添って、患者の表情や心拍、発汗などをきめ細かく観察する。刺
激が強すぎた時は、前の段階へ一度戻る。
昨年から治療を始め、最後まで終了した患者は、これまでに10人余り。その
うち少なくとも8人が、PTSDの診断基準から外れる水準まで改善した。より
本格的な臨床試験に進むため、現在、政府に研究費を申請しているという。
心の病気が仮想世界を通じて改善する例は、「セカンドライフ」でもあったと
される。米紙ワシントン・ポストによれば、広い場所へ出るのが怖い「広場恐怖
症」で家に閉じこもっていた青年が、その恐怖を克服したり、重い脳卒中で車い
す生活を強いられていた女性が仮想世界で「歩いたり踊ったり」することで、リ
ハビリに意欲的になったりした例があるという。
このほか、自分の世界に閉じこもっていた人が、セカンドライフの中で、人の
姿をした仮想人物(アバター)と交流することで、現実世界の他人と接触する恐
怖心を和らげるとも期待されている。
しかし、こうした“治療効果”は、医学的に広く認められたわけではない。リッ
ゾ助教授ですら「暴露療法は、常に医療スタッフが付き添う必要があり、病気の
種類によって注意が必要。(セカンドライフのような)オンラインでは無理」と
否定的だ。
日本でも、子どもがゲームの仮想世界で、他人と協力し合うことで、自分が役
に立っているという「自己有用感」が満たされることに、専門家が注目している。
しかし、「現実の世界でそれが満たされないから、逆に、ゲームの世界にはまっ
てしまう、ということが考えられる」(不登校カウンセラー)と慎重だ。仮想世
界は、現実からの逃避先に過ぎないのだろうか。
帰還した米軍兵士の約3割は、PTSDなどの心の病に侵されているといわれる。
米国にとって重大な社会問題になっている帰還兵の心の病気を、仮想世界を駆
使した技術で治療する試みが、南カリフォルニア大で成果を上げている。
同大のアルバート・リッゾ助教授(53)が手がけているのは、PTSDの主
要な治療法の一つである「暴露療法」。患者が心に傷を負った体験を繰り返し思
い出し、それに慣れさせて、過去の事として落ち着いて受け止められるようにし
ていく。療法士との会話などを通じて思い出させる通常の手法の代わりに、リッ
ゾ助教授は戦場を再現する仮想世界を2年がかりで開発した。
患者は、画像を表示するゴーグル(眼鏡)とヘッドホンを組み合わせたヘッド
セットを装着。頭の動きを感知して、上下左右に動く画面を見る。
最初の場面は、砂漠の中の道路端に停車した軍用車両に座っているだけ。それ
でも、患者は不安になる。しかし、何事も起きないと分かって、不安は消えてい
く。
さらに、自分自身で車両を運転したり、遠くから銃声が響き、軍用ヘリや飛行
機が頭上を飛ぶ環境に立ち会ったりして、次第に強い刺激に慣らしていき、最後
には、患者の眼前で車両が爆破され、犠牲者が出る場面にまで至る。
リッゾ助教授の仮想世界は、映像や音だけでなく、運転中の振動、戦地で何日も
入浴できない兵士の体臭、イラク特産の調味料やラム肉の香りまで出せる。
現実の戦地に限りなく近付いたそれは、患者にとって強烈だ。治療中は、常に
療法士らが付き添って、患者の表情や心拍、発汗などをきめ細かく観察する。刺
激が強すぎた時は、前の段階へ一度戻る。
昨年から治療を始め、最後まで終了した患者は、これまでに10人余り。その
うち少なくとも8人が、PTSDの診断基準から外れる水準まで改善した。より
本格的な臨床試験に進むため、現在、政府に研究費を申請しているという。
心の病気が仮想世界を通じて改善する例は、「セカンドライフ」でもあったと
される。米紙ワシントン・ポストによれば、広い場所へ出るのが怖い「広場恐怖
症」で家に閉じこもっていた青年が、その恐怖を克服したり、重い脳卒中で車い
す生活を強いられていた女性が仮想世界で「歩いたり踊ったり」することで、リ
ハビリに意欲的になったりした例があるという。
このほか、自分の世界に閉じこもっていた人が、セカンドライフの中で、人の
姿をした仮想人物(アバター)と交流することで、現実世界の他人と接触する恐
怖心を和らげるとも期待されている。
しかし、こうした“治療効果”は、医学的に広く認められたわけではない。リッ
ゾ助教授ですら「暴露療法は、常に医療スタッフが付き添う必要があり、病気の
種類によって注意が必要。(セカンドライフのような)オンラインでは無理」と
否定的だ。
日本でも、子どもがゲームの仮想世界で、他人と協力し合うことで、自分が役
に立っているという「自己有用感」が満たされることに、専門家が注目している。
しかし、「現実の世界でそれが満たされないから、逆に、ゲームの世界にはまっ
てしまう、ということが考えられる」(不登校カウンセラー)と慎重だ。仮想世
界は、現実からの逃避先に過ぎないのだろうか。
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