救済限定の和解骨子案 薬害肝炎訴訟で大阪高裁

　汚染された血液製剤でＣ型肝炎になったとして、患者が国と製薬会社に損害賠
償を求めた薬害肝炎大阪訴訟の控訴審で、大阪高裁（横田勝年裁判長）は１３日、
東京地裁判決を基準とする救済範囲を限定した和解骨子案を当事者に提示した。

　全員救済を目指す原告・弁護団は受け入れを拒否。高裁は年内に基本合意を目
指す意向を表明するとともに、政治決断の必要性を示唆しており、５地裁５高裁
で争われ、１万人の被害者がいるとされる薬害の解決は国の決断に委ねられる公
算が大きくなった。

　舛添要一厚生労働相は「できるだけ多くの命を救う観点から、あらゆる可能性
について協議していく」と述べた。

　患者側は、全面解決に向け全員一律、一括の和解金を求めていた。高裁は骨子
案と同時に示した所見説明書で「望ましい」としたが、盛り込まなかった理由に
ついて「５地裁の判決内容に反する要求で、国・製薬会社側の格段の譲歩がな
い」とした。